まち塾サロン2015・3月号「中国の少数民族(瑤族)

ヤオ族民家2

まち塾サロン2015 3月号も にぎやかに開催しました!

今回のしゃべり手は、 建築設計事務所に勤務の伊丹祐介さん
なんと、今回の話ネタは、松江よりとお~~~く離れた、ほんとに、遠く離れた(笑)、中国は瑤族(ヤオ族と読みます)のお話でした。
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若手建築家 伊丹さん 普段は寡黙なのですが、やることは熱いです!
現在住宅などを中心に建築設計で活躍中!! 

さて、中国のヤオ族ってどこよ?? なによ?? そしてどんなお話よ!??ってことなんですけど(^^;、まち塾サロンは、面白そうなネタなら、分野を問わず大歓迎!
おかげさまで、当日もたくさんの方にご参加いただきました。

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今回のサロンも、マニアックなネタに関わらず(笑)、たくさんのご参加でした。感謝感謝

ヤオ族というのは、中国の中でも南方地方一帯を主なエリアとした少数民族なのだそう。
中国南方の民族で、独特の文化が伝承されていて、特に、すごく繊細で美しい民族衣装などが有名とのこと。
今回は伊丹さんが実際にそのヤオ族の集落を訪れ、研究された「ヤオ族の住まいの特徴」について、話を聞かせていただきました。

中国という国の成り立ちは、そもそもたくさんの民族の間での覇権争いの結果といえるのですけど、やはりもっとも力があったのが、漢族ですね。第一主要民族として、その他の民族へ多大なる影響を及ぼしているとのことです。

ヤオ族の住まいの少なからずも、漢族の影響を受けているらしいのです。
そんな中でなお、ヤオ族らしい住まいの特徴を見つけだすのが、伊丹さんがめざしていた研究でした。

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ヤオ族の概要です(引用元:伊丹さんのデータ)。日本からはとお~~~いいいですねぇ。

漢族の住まい・間取りというのは、ごくごく単純にいえば、部屋が横並びに3つあり、その真ん中が「庁堂」といって、ご先祖様をまつる部屋(日本でいうところの仏間 かな)、で、その両側それぞれが、調理室と寝室がワンルームのようになった部屋です。
これを一単位として、大家族になればなるほど、ワンルームが横へ横へと増えていく、そんな感じです。

ヤオ族の現代の住まいも、多くは同様になってきているらしいのですが、伊丹さんがくまなく現地で調べた結果、ヤオ族だけにしかない、住まいの間取りの特徴がだんだん見えてきた!
伊丹さんいわく、

・漢族には、庁堂を真ん中に、左右にワンルーム寝室が伸びていくに対して、ヤオ族の家は庁堂の奥に寝室(この寝室はやはり家の主の寝室とのこと)がある。
・ご先祖様をまつる神棚が、庁堂の真ん中ではなく、左右どっちかによる。
・漢族の住まいでは、庁堂はかなり重要な位置づけらしく、ワンルームとなる寝室などとは、完全に壁で分離されるのだけど、ヤオ族の住まいでは、その壁がなかったりする(庁堂とワンルーム部屋とが壁がなく連続している)
・そして、家族構成が増えるに従い(たとえば、子供が結婚したりしたら)、庁堂も増える!(つまり一つの家の中に、仏壇が二つある状態!)

などなどです。

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かなり詳細な調査結果を披露していただいた中の資料です。よくぞここまで導きだされたと一同感嘆!

なんだか、漢族よりもずいぶんとユルい(^^!。 自由きままな感じがして、でも家族としての独立性もあって、当日初めて知って、しかも日本から遠いし、行ったことないし、話したこともないけど、いきなり親近感湧いたりして(笑)。

住まいの特徴ってのは、そうやって調べて紐解いてみると、なんといいますか、そこに暮らす方々の心根の部分が如実に表れるものなんだと感じました。

松江の住まい、島根のってどんな特徴があるんでしょうね??

さて、そんな研究結果を教えていただきながら、さらに、ヤオ族研究で現地に行っておられた時の伊丹さんのエピソードもいろいろと教えていただいて、これまた興味深かったです。

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資料の解説、また、ヤオ族に調査しに行った時のことを熱く語る伊丹さんの図

なかでも印象的だったんが、家の中はもちろん土間なんだけど、ヤオ族の人にとって家の中の土間というのは、完全に「道の一部」の感覚なんだそうです。家の前の道がそのまま家の中に入ってきているという。だから掃き掃除とか、けっこうユルいらしい(^^;

ヤオ族調査風景

調査中の、家の中の土間の様子。上が伊丹さん かな??^^

日本では、たとえ土間続きでも、へたすりゃ、縄一本で境界つくっただけでも、「内」と「外」をきっちり分ける感覚が普通ですよね。 道路が家の中に入ってきているちゅうのは、なんとも摩訶不思議な感覚ではありました。

参加いただいている方からも、普段触れることがホットんどない、中国少数民族の話に引き込まれ、ちょっとした旅行・・・ いや、探検気分でした。

 

サロンの時間もあいかわらず、あっという間に過ぎ、最後は参加者それぞれからの告知タイムをなり、
し・か・も! その日は、桜が満開だったので、なんと、その後有志で、源助公園へ花見へと繰り出すという(笑)!

あいかわらず、なんともにぎやかなサロンでした。

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