まち塾サロン2015・6月号「松江でだってもちろん可能! 市民共同発電のイロハのイ」開催しました!

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まち塾サロン2015 6月号も、おかげさまでゆる~~く開催されました(^^

6月号はですね、なんと市民共同発電所のお話です。
しゃべり手は、上園由起さん
自然再生エネルギーの普及発展のスペシャリスト!
今年、松江でも地元有志が中心となって、太陽光発電システムによる市民共同発電所の開設に関わられた方です。

上園さん
上園さんです。松江在住数年。もともとは大阪ご出身なので、話のテンポが速い(笑)、そして面白い!!

さて、参加者さんそれぞれからの自己紹介もそこそこに(笑)、さっそく上園さん中心に、市民共同発電所についての話を参加者みんなでワイワイと話し出しました。
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まずは、上園さんによる自己紹介を皮切りにですね、そもそも市民共同発電所ってなんなの??なにがいいの??っていう、「市民共同発電イロハのイ」から伺いましたよ。

来年からの、完全電力自由化(電気を自由に作って売ってもいいし、電気をどこから買ってもよいという仕組み)を受けて、電気に関わる大手中小企業ともども、様々に動いているとのこと。
電力会社は、大手老舗ばかりではなく、近年多くの電力会社が生まれてきているんです。
そういわれれば、メガソーラー発電所や、風力発電所などが、最近できていますねぇ。

でも、上園さんからいえば、そういった最近生まれている再生可能エネルギーを活用した電力会社も、その発電所がある地域にとっては、必ずしもメリットが大きいとはいえないんだそうです。
都市圏の大手資本が参入して、地域に発電所をつくっても、その儲けは結局、都市圏のものになってしまうわけで、地域の活性化に寄与できないんだと。
市民共同発電所というのは、そこの点がちょいとちがっていて、地域で発電所つくって、それで稼いで、その稼ぎを地域の賑わい創出や雇用創出などに活用しようという考えなんだそうです。

というところで、そもそも発電所 なんてものは、だれでも簡単につくれるもんじゃないでしょ、と。それに、ちょ~~莫大な先行投資 費用が掛かるわけで。しかも、稼げるなんて保証もない。とりわけ、曇り・雨の多い山陰では、事業としてもうまくいかなくない?? ってのが、率直な感想、ですよね。

ここらへんからは、さらにスペシャリスト、上園さんの話がノッテきます!

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話が進む上園さんの図

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みんなで聞き入るの図

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資料片手にもりあがるの図

確かに、これまでの日本における電力供給の姿ってのは、いくつかの老舗大手電力会社が、大量の電気を作り、電線を張って家々に電気を送る というしくみです。基本的には今もまったくかわらないですよね。
しかし、太陽光発電や風力発電等が生まれ、また成長したおかげで、、いろいろな事業者が発電を行い、そこで生まれた電気をそのまま既存の電線を使って供給するという、「様々な形態での発電事業」ができるようになってきているのだと。で、こういった発電所は、市民共同型で起業されているのが多いんだそうです。
そういった小さな発電所が、2014年度までで、国内約600基にまで増えているのだそうです。
まち塾プレゼン配布用 (1)
上園さん、グラフを用いながら紹介してくれましたが、正直ここ10年でドドドッっと増えてた!!
引用元:上園さんパワポより

なぜに「市民共同」型発電所が多くなってきたのか??
うかがっているとですね、端的に言えば、小さな発電所、けっして「ボロ儲け」「大儲け」はできなっぽい(^^。でも、決して損はしないみたいみたい。きちんと採算がとれるようです。
するとですね、なにを考えるか??となるとですね、
「発電所設立だけを目的に事を起こす」んではなくて、「地域になにがしかのメリットをもたらすための方策としての発電事業」ってのが、話を聞いているとだんだんわかってきたわけです。

上園さんからの事例を引用しますとね、市民共同発電先進国、ドイツやデンマークでは、農家がこぞって市民共同発電所をつくるんだそうです。
いや、ま、土地があって休耕地になっているからでしょ?? ってことかと思えば、も少し積極的な考えでした。 いわく、
「農業だけだと食っていけないけど、発電事業が付加すると食っていけるようになる。すると、若者が帰ってきて農業を継いでくれる」んだそうです。
市民共同発電事業 × 農地 = 地域若者定住対策
その他にも、大きくはないけど、「きちんと地域で稼げる」 ということで、その稼ぎをまた地域に還元できる可能性がある。とのことみたいなんです。

日本でも、福島の農民連さんが設立しはじめておられたり、会津のご当地電力会社ができたり、徳島にも会社ができたりと、岐阜の石徹白(いとしろ)は、小水力発電つくったりと、各地でもりあがっているそうです。

さて上園さん、日本のことだけじゃなくて、今度は先進国のご紹介をいただきました。
自然再生エネルギーによる市民共同発電の先進国は、先ほどもでました、ドイツやデンマークのような欧州各国。
ドイツなどは、ドイツの太陽光発電設置者の約半分は個人や小さなグループによる事業者なんだそうです!!すご~~~!
しかも、ただ単に誰でも好きにやっているかといえば、決してそうではなく、(発電所設立そのものも許可制とのことなのですが)、事業採算性や自然環境への影響度(アセスメント)なども許可基準にあって、そこがクリアにならんと許可されないらしいのです。つまり「きちんと稼げない発電所は許可しない!」という確固たるスタンス。
だから、許可されたところは、きっちんと採算とれてるし、継続できるししかも、その儲けは、きちんと地元に還元されているらしいのです。

むむぅ~~~~、 だれも痛手を負っている人がいない気がする(^^。
確かに、環境問題に関して、日本よりも(おそらく)モチベーションが強い欧州諸国ですから、日本がそのまま同じようにすぐなれるとは思わないんですけど、でも誰も不幸せな人がいない気がするその仕組みは、気になりますね。

んで、では、松江ではきちんと採算とれるのか??? という問いにも、上園さん資料を基にご説明いただきました。
太陽光発電における話なのですが、太陽光発電パネルって、太陽サンサンであるほど発電するかっていうと必ずしもそうでもないらしく、気温が高すぎたりしたら発電量落ちるし、逆にくもり空でも発電するらしいのです。
そんなこんなで、松江と東京とで、発電量比べますと、松江でも東京の94%の発電が期待できる!
まして、市民共同発電先進国、採算取れてるドイツと比べれば、全然日照時間長いし、雪は少ないし!

なんだそうです。
といっても、実際やってみないとわかんないじゃないの!? っていわれる(いや、そんな悪態はサロンではなかったですけど(笑)かもしれないので、って、上園さん 松江で市民共同発電所設立の時のシミュレーションと、実際発電量との差まであからさまに見せていただきました。

今年、10kwを400万円という資金で設立した市民共同発電所(内中原町)、10年で事業費回収予定で、シミュレーションされ、月々の発電量予測もたてておられるのですが、すくなくとも運用開始してからは、予想よりも多くの発電量が確保できてる!!
まさに、論より証拠 だったわけです~

ほんとは、もっと様々な話があったサロンでの 市民共同発電話。参加者からは、自然再生エネルギーの活用の重要性なども語り合ったり、新しい資源 メタンハイドレートがいいものなのか、いいことばかりでもないものなのか、議論あったり、ゆるいながら(笑)も、ふか~~いいエネルギー論in松江 で盛り上がったのでした。

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