まち塾サロン2014・5月号「『出雲國風土記』と中世出雲神話」開催!

sassi
5月末の金曜日である、30日の夕方、まち塾サロン5月号 今回もにぎやかに開催されました。
今回のテーマはですね、「『出雲國風土記』と中世出雲神話」というお題。 そう! 出雲古代史シリーズパート2 でした(^^ 出雲に、松江に住んでいつつ、古事記とか日本書紀とか、出雲國風土記とか全然知らないんだけど・・・でも、どっからはじめていいのかわかんないんだけど・・ という ほぼ個人的要望のために始めた 古代史シリーズ(^^;   しかし!! 今回はしかしながら、「出雲古代史の裏事情」のようなお話満載でした(^^。

今回のしゃべり手 は、出雲弥生の森博物館専門研究員 高橋周さん
以前より、中世出雲神話 について研究を重ねておられる方で、スーパー専門家!なのですが、とてもわかりやすく、そして面白く!お話いただきました。
takahashi setumei
一番手前でお話いただいているのが高橋さん。専門な話でありながら、ゆったりとした口調で、わかりやすく、でも時に笑いのツボをついたお話をいただきました。

今回も、なんやかんやで13人の参加者に囲まれて、ゆるやか~~に始まったサロン。 でも話を伺えば、木次から初めてお越しいただいたお客様(「木次からなんて、車で30~40分なんで、全然近いですよ~」といってくださったけど、うれしかったです)や、2月サロン復活以降、皆勤賞でお越しいただいているお客様! お客様の年齢、職業 等 今回もバラバラ(笑)。今回も異業種交流会の様相。 しかし、高橋さんのお話が進むと、みなさん、そっちに集中されてました。
当日資料 パワポ新 松江講座
高橋さんが今回のお話に使っていただいた、パワポの一部です。 これだけだと、なんのこっちゃ??? なのですが(笑)。それが高橋さんの話といっしょだと途端におもしろい!

そもそもですね 風土記と中世出雲神話 ってどういうことよ~? ってことです。
出雲國風土記は、奈良時代の編纂ですね。一方で中世といえば、通説で言えば、平安時代~戦国時代くらいらしい。風土記編纂の時代とは まぁ~~たくかぶらないわけで。
でも高橋さんのお話によると、これがなんとも生々しく(笑)重なるわけです。

・奈良時代に編纂された風土記は、地元の役所(今でいう市役所とか県庁など)で編纂されて中央国家(今でいう文部省とかそんなところでしょうか)に提出されたので、実は地元の人はほとんど知らない?
・風土記自体、しばらく忘れられた時代がありました。
・さらに、天台宗とか真言宗などの、いわゆる仏教(密教)信仰が世の中に広がり始め、それとともに神教の権威低下、神教の本山出雲大社も権威低下、出雲国の権威も低下となっていったとのこと・・・。
・で、これではいか~~んん!!とばかりに、出雲大社が復活の狼煙をあげるわけなのですが、先ほど書きましたとおり、この時代は 仏教信仰がメインで、とりわけ鰐淵寺は大きな権威となっており、これは一緒にやっていくしかないと、おそらくは当時ならではの「政策判断」があったよう。神仏習合の時代でもありました。
・鰐淵寺由来書(縁起)には、スサノオ奉りの記載もあり、出雲大社もそれでは と、スサノオを祭神となったとのことです。
・その後、尼子氏による統治、豊臣氏による出雲大社の領地半減などなど、時代の波に紆余曲折しながら、出雲大社の祭神は再び大国主命に回帰した とのことです。
・ちなみにちなみに、出雲大社に神が集まる「神有月」とかも、風土記に記載されているわけでなく、鎌倉時代などにおいて、流行ったことらしい。

とまぁ、ちょ~~~はしょって書きましたけど、相当に裏事情(笑)。
ちなみに、私は父(斐川出身)より、「神有月の最後は、神様がみんな斐川の神立の万九千(まんくせ)神社に集まって、最後の直会をして、それぞれの地に戻っていかれる」と聞いていたのですが、その伝承、実は明治時代にできたんだそうで(^^;、 ちょ~びっくり。
しかも、当日の参加いただいた方に斐川出身の方がおられ「その話は自分も聞いたことがあって、しかも、そうやって神様飲んだくれて、トイレにいかれるから、その日の夜中はトイレ行くの禁止だった!」らしい。
う~ん、すごい伝承!!

とまぁ、ほんと、神話の裏事情がいろいろと聞けたのです。(すみません。ほんとに、一端しかかけていないです(笑))
高橋さんのお話から、いろんな話題が波及していったのですが、高橋さん的には「古事記から現代にいたるまで、出雲神話文化の重層性が豊かであるゆえに、そんな紆余曲折が成立するんであって、それこそが出雲神話のすごいところです」 とのこと。 確かに、そのとおりですね~ と、感じたところでした。

話が終わりますと、あいもかわらず、方々からいろんな持論、質問、等々。いつものように、いい時間になるまで、にぎやか、ゆるやかな会でした(^^

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参加者の持論、質問が飛び交うの図(^^

ということで、今回も相当に濃い(笑)会でございました。

ご参加いただきましたみなさま、本当にありがとうございました。

さて次回は、6月27日(金)を予定しております。
しゃべり手は、三代香衣さん
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相当にお若い女性ですが、実は 石見神楽に相当ハマっておられる!!何度となく石見に行っては神楽みて、感動して帰ってこられています(笑)
お題、内容未定ですが、「石見神楽LOVE」なお話を予定しております。

詳細は後日ご案内させていただきます。どうぞ、お見逃しなく!!

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