【ふどきのおか日和】『秋の里山を歩こう ~人々の生活に関わった里山を歴史遺産として見つめてみよう~』開催しました!

皆さんは、『里山』をゆっくり歩いてみたことがありますか?少し前まで、薪炭材や堆肥を得たり、キノコや山菜を採ったりと、人々の暮らしに最も身近だった山林。森から四季折々の恵みを受けて暮らす生活は、今とは違う意味で豊かだったかもしれません。でも、私たちの現在の暮らしぶりは、里山から随分遠ざかってしまいました。人々が里山を忘れていくとともに、日本各地の里山も、人々が入るのを拒むように荒廃していきました。

そんな中、大庭の里山を、人々の憩いの場として再整備してくれる頼もしい方々が現れました!NPO法人バイオマス総合研究センターやかんべの里周辺で活躍されている自然観察指導員や島根県森林インストラクターの皆さんです。これらの方々は、かんべの里周辺にとても素敵な散策路を整備されました。尾根あり、展望台あり、池ありの楽しい森の小径です。

【整備された散策路のマップもあります。かんべの里館でもらえます。】

さて、先日11月24日(日)。
バイオマス総合研究センターやかんべの里の皆さんの主催で、この散策路を行くハイキングが開催されました。その様子をご紹介します。当日は、ハイキングに絶好の青空! なんと50人近い人たちが集まりました! 3グループに分かれて散策開始です。

2H25かんべの里 011

冬支度を迎えている晩秋の森では、たくさんの樹木が実を結んでいます。気のせいかもしれませんが、赤い実をつける植物がとても多い気がします。

そして、複数の樹種がそれぞれの葉の色で織りなす樹冠の美しいこと!

そして、里山の中は、生き物たちにとっても大切な棲家です。

さて、だいぶん歩いてお腹が空いてきました。お昼にしよう!と取り出したのはスタッフの方が握って出発前に持たせてくださったおにぎりです。なんと!前日の夜に、かんべの里館前のテントに数人で泊まりこんで、全部で百数十個握ったそうです。山のおじさんたちのおもてなしの塊です。そして、案内の自然指導員の方が、山の果実(ナツハゼ、シャシャンボ)で作ったジャムをクラッカーにのせて、振る舞ってくださいました。ブルーベリーに負けないくらい、濃い紫色の美味しいジャムでした!

そして、ハイキングも後半にさしかかった時、日当たりのよい林床にフユイチゴの群落を発見!陽の光に透き通ったルビーのような実をたくさんつけていました。これも、きれいな色の美味しいジャムになるのだと指導員さんが教えてくださいました。キイチゴ摘みは、採っても採っても少し離れた場所になっている実がより魅力的に見えて熱中してしまいます。でも、欲張りすぎには注意! 山の恵みを自分たちの分だけいただいて、その場所を後にしました。摘んで帰ったフユイチゴは、早速ジャムにして、朝食のヨーグルトにかけていただきました。

 

自然の中は「きれい!、おもしろい!、不思議だ!」という気づきに満ちています。それらの気づきに共感したり、山の恵みを分け合う仲間がいること。これは、一番素朴で健全な人間本来の喜びなのではないでしょうか。『里山』はそのような喜びが味わえる場所だと感じたハイキングでした。

 

 

 

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