11月15日(金)に、奥出雲あじわい日和のプログラム『イナタヒメとスサノオノミコトのパワーをいただくぶらり歩き』に参加してきました。このプログラムは素盞嗚命や稲田姫に縁がある奥出雲の神社を巡るというもの。稲刈りも終わり、すっかり晩秋の色合いになった奥出雲の景色を楽しみながら、ぶらりと歩きます。案内してくださる「町の学芸員」の石原さんを含め、参加したのは女性5名。少人数ながらも、友達と旅行するような和やかな雰囲気で出発しました。
最初に訪れたのは、『伊賀多気神社』。
ここには、素盞嗚命の息子である五十猛命(イソタケルノミコト)が祀られています。五十猛命は、お父さんの素盞嗚命とともに奥出雲周辺の山々を荒らすヤマタノオロチを退治し、その後、禿げてしまっていた山々に樹木の種を播いたり、植林をして治山治水対策をなされたとのこと。そのため、『木の神様、林業の神様』として、崇められているそうです。このお話を、宮司さんから聞いて、私は不思議でした。私の知っている神話は、素盞嗚命が稲田姫の命を救うためにヤマタノオロチを退治し、その後、二人が結ばれるというもので、五十猛命は登場しません。そのことを宮司さんに聞いたところ、私がもともと知っている神話は古事記由来、伊賀多気神社のいわれは日本書紀由来であるのだと教えてくださいました。古代史や神話っていろいろな説があってオモシロイ!ということを心から実感しました!その他にも、神社の神紋である『剣花菱』や、祀られている神様が向いている方向のことをお聞きすることができました。樹木好きの私としては、『木の神様』に出会うことができてとても嬉しかったです。
【伊賀多気神社では、宮司さんにお祓いをしていただきました。】
【伊賀多気神社境内のケヤキの老木 大きな樹洞と穴があり、穴からは横田の町並が見渡せました。】
次に訪れたのは、『横田八幡宮』。
95歳というお元気な宮司さんが力強い太鼓を叩きながら、にこやかに迎えてくださいました。ここは、横田周辺の総氏神として、朝廷や幕府の崇敬を受けたり、一方で毛利氏や尼子氏の勢力争いに巻き込まれたりと波乱に満ちた歴史を刻んできたそうです。源頼朝に縁がある木像(龍の頭を象ったようなもの)も置かれていました。鎌倉からこんなに離れたところにも、その昔、頼朝の力が及んでいたのかと驚きました。けれど、何より驚いたのは元気な宮司さん! 本当に素敵な方にお会いしてパワーをいただいたと思います。
【横田八幡宮を目指して】
【95歳になるというお元気な宮司さん にこやかにお話をしていただきました。】
最後に、『姫のそば ゆかり庵』で美味しいお蕎麦をいただき、『稲田神社』でお参りをして、ぶらり歩きを終了しました。
奥出雲に連綿と続いてきた歴史と信仰の奥深さ、それを大切に受け継いでいる人たちの想いに触れた一日でした。